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あいみょん

  • nishi-kaze
  • 2016年4月25日
  • 読了時間: 11分

2015年、“貴方解剖純愛歌~死ね~”でセンセーショナルなインディーズデビューを果たしたあいみょん。彼女の書く曲からは、若くて多感な心が垣間見えると同時に、若さゆえのフットワークの軽さも感じ取ることができる。また自身が感じている事だけでなく、完全なる想像のストーリーであっても生々しい曲を書くことができるため、聴くほどにあいみょん像が複雑化していくような気もします。

2nd Mini Album『憎まれっ子世に憚る』のレコ発ツアー「思春期」の合間に、この時間を割いてもらいました。あいみょんが、本当はどんな女の子なのか知りたいという気持ちで挑んだインタビュー、彼女の素の部分を少しでも感じてもらえると嬉しいです。

Interview:Miyaco/Photo:MiNORU OBARA

―ライブお疲れ様でした。広島でのライブは何度目ですか?

2回目でした、去年のMUSIC CUBE’15にも出させてもらってて。その時は弾き語りだったんで、バンドでのライブは初めてでした。

―「思春期ツアー」も折り返しですが、ここまでどうですか。

一瞬でした、始まる前は長いと思ってたけどもう終わりが近いんやって思います。

―今日もかなり堂々としたパフォーマンスでしたね。とにかく歌声がすごく良くて印象的だったんですが、もともと歌が得意だったんですか?

いや、そうでもないかもしれないです。こんなに声を張ったりすることは小さい時はなかったので。学生の時は陸上部で副部長をやってたんで、その時は声出してましたけど。関係ないかな?(笑)だけど、歌ったりはしてなかったです。

―歌い始めたのはいつですか?

歌うのは好きやったんですけど・・・14歳くらいかな。自分の曲を作って歌い始めたのは高校生くらいだと思います。

―その頃からあんなに綺麗な声が出てたんですか?

どうなんでしょう、人に見せることをしてこなかったので・・・路上ライブとかライブハウスに出演するっていうことを全くしてなかったんです。自分ひとりで作ったり歌ったりしてました。

―そうなんですか、ライブをし始めたのはいつ頃なんですか?

こんな風にしっかりとやり始めたのは、インディーズデビューが決まった頃からですね。

―そうなんですね。曲を作ったりしていて、誰かに聴いてもらいたいなっていう気持ちは生まれなかったですか?

うーん、あんまり。友達にはちょっとだけ聴かせることもあったけど、両親に聴かせるのは恥ずかしかったし。別に才能があるとは思ってなかったから、聴かせたところでどうなるんやろうって思ってました。

―本当に趣味の中で音楽をやっていたんですね。

そうですね。音楽は、あわよくばやっていけたらいいなっていう存在でした。

―じゃぁ、他の将来とかも考えたりしてたんですか?

もちろん、もちろん。めっちゃ考えてました。パン屋さんとか、家庭保育士、福祉の仕事もしてみたいし、カメラマンもやってみたいって思ってました。今でも興味はあるんですけど。

―そうなんですね。ライブハウスのしっかりとした音響の中で聴くのもすごくパワフルで良かったんですけど、例えばストリートで出会うのも良さそうだなって思いました、マイクを通さない素の歌声も聴いてみたいなと。

路上ライブも、今の事務所の方に声をかけていただいてから初めてやったんですけど、その時もマイクを使ったんです。マイクなしで歌ったことはないですね。今度やってみようかな(笑)。

―プロフィールを拝見すると西宮っていうワードがよく出てくるなと思って。アイデンティティーに西宮っていうものが濃くあるのかなと感じたんですが。

めっちゃ好きなんですよ。もちろん生まれ故郷ってだいたいみんな好きだと思うんですけど、こんなに好きになったのは、西宮にKING BROTHERSさんっていうロックバンドがいて、そのライブをみたり音源を聴いたりしてからですね。こんなに凄いアーティストが住んでる街なんや!って思ったら、より西宮をリスペクトするようになりました。学校でも音楽をやってるのは私だけだったんで近くに音楽やってる人はおらんって思ってて、だけど実は音楽が鳴ってる街なんやって思ったら嬉しかったですね。最近だとキュウソネコカミさんとかN’夙川BOYSさんとかもかっこよくて、めっちゃ嬉しい。

―ご家族の影響で音楽に触れる機会も多かったそうですが、お祖母様が歌手を目指していらっしゃったそうですね。

そうです。目指してたけどなられへんかったんで、「こんだけたくさん孫がおるんやから、1人くらい芸能の道に行ってくれたらええな」って言ってて。それも歌い始めたきっかけのひとつかもしれないですね。

―お祖母様がお家で歌ったり?

お祖母ちゃんはあんまり歌ってなかったけど、お父さんがたまにギター弾いて歌ってることはあったかな。

―よく音楽が鳴ってるようなお家だったんですか?

掃除の時は必ず流れていました。だいたいお昼前に掃除の時間があるんですけど、その時は窓を開けて、お母さんの好きな音楽をずっと流してましたね。

―そんな中で、音楽を作るようになったきっかけは?

そもそも詞を書くのが好きで、作文が得意だったんです。だから詞は書き始めてて。ある時お父さんがぞうさんギター(FERNANDES/ZO-3)を貸してくれて、それがきっかけですかね。それでギターを覚えて、自分の曲を作ろうと思うようになりました。

―文字に音が乗っていくことが多いんですか?

そうかもしれないですね、文字を書くのはすごく好きです。

―あいみょんさんの歌詞を見てると、本を読まれる方なのかなっていう気がしました。

本は好きですね、よく読みます。特にミステリー小説が好きで、ネバネバドロドロしたものをよく読んでます。

―そうなんですね。ミステリーっていうワードを聞くと、歌詞の中のダークな表現はそういうミステリー小説と通ずるものがあるのかなっていう気もしてきます。

本から影響を受けてるっていう自覚はあまりないけど、知らん間に受けてるかもしれないですよね。“貴方解剖純愛歌~死ね~”っていう曲は結構すらすらとできた曲なので、自分の中にそういう感覚があったんだろうなって思うんですけど。でも、本を読んで「こんなストーリーの曲を作ってみたいな」って思うことはあります。

―表現というより想像の面で刺激があるのかもしれないですね。個人的には“泥だんごの天才いたよね”の「何も知らずに誰かを傷つけてふさぎ込む子が減るように」っていう歌詞が好きで。凄く優しい言葉だなと思います。

最近、泥だんご作ってる子いるのかなって思うんです。最近はスマホとかで遊んでる子が多くて。だから、外の世界を何も知らずに人を傷つけちゃう子がいるかもしれない、って思って書きました。

―それから、男の人には絶対に書けないような視点の曲も多くて、そういう歌を男性陣はどんな気持ちで聴いてるんだろうって思ったんです(笑)。

ね、それ私もいつも思います。可愛げのない曲もあるし、どんな気持ちで聴いてるんでしょうね(笑)。

―私、女の子達が共感してるのかなって勝手に思ってたんですけど。

そうですね。やってるうちにライブに来てくれる女の子のお客さんも増えてきて。共感するって言っていただくと嬉しいですね。

―同性に支持されるのはやっぱり心強さがありますよね。

めちゃくちゃ嬉しいですね。でも実は男性目線の曲を書くのも好きなんですよ、まだあんまり出てないだけで。だから、いずれ男性にも共感してもらえる曲も出せたらいいなって思います。

―そうなんですね、それは楽しみです。これまでたくさん曲を作ってこられていると思うんですが、今までリリースされている曲はいつ頃に作られた曲なんですか?

デビューシングル(“貴方解剖純愛歌~死ね~”)には3曲入ってるんですけど、それは18歳になってから作った曲ですね。1stミニアルバム(tamago)も2ndミニアルバム(憎まれっ子世に憚る)も18歳から19歳の間に作った曲が殆どです。18歳の夏に事務所の方に声をかけていただいて19歳でインディーズデビューしたんですけど、声をかけていただいた時点で自分の曲は10曲くらいしかなかったんですよ。で、事務所の方に「4~5ヶ月くらい時間あげるから50曲作って」って言われて、その間に作った曲が多く収録されてます。中には16歳頃に作った曲もあるんですけど。自分がちゃんと曲を作れるって知らなかったんで、その時期に一気に作ってみて「あ、自分できるんや」って思えました。

―強烈な印象のデビューシングルがあって、そのイメージを覆すような1stミニアルバムが出て、「あいみょん、こんな感じの曲もあるんだ」っていう印象をもらった気がします。

そうですね。あのシングルで私の事を知ってくれた人は寧ろ「あいみょん、めっちゃ普通」みたいなリアクションが多いです(笑)。あのシングル曲だとめっちゃ怖い人のイメージだし、MVも風貌が分からないから。でも、こんな曲も書けるんだねって言ってもらえるのは嬉しいですね。あの曲だけじゃないっていうのを示せて、良かったなって思いました。

―いろんな面を示せた1stミニアルバムがあって、その次の2ndミニアルバムでは、どういうことを表現したいかっていう構想はあったんですか?

ありました。より自分でこだわって作りたいなって思ったので、あらゆる作業に積極的に関わって。すごく納得のいくアルバムになったと思います。どうやってCDができていくのかっていうのも知らなかったから、すごく勉強になりましたね。

―曲を書くだけが制作じゃないっていう面を凄く感じられたんですね。今回のツアーはバンド編成でしたが、バンドを組んでみたいなっていう気持ちは今までなかったですか?

ありました、一瞬だけやったことあるんですよ。だけど、すぐに惜しまれつつ解散しました(笑)。大学受験の前に組んじゃったので、みんな忙しくなって集まらなくなって。だけど、私はひとりが向いてるなって思いますね。

―それはどうしてですか?

勝手な想像ですけど、バンドだと喧嘩とかしちゃうんかなって思って(笑)。ひとりの方がラフにやれるかなと思うんです。

―このツアーでは新曲(“生きていたんだよな”)も披露されていましたが、それも含めて、生きるっていうテーマの曲がいくつかありますよね。生きるっていうことに対して、普段からよく考えてる人なんだろうなっていうのが感じられたんですけど。

めっちゃ考えてます。常に最悪の事を想定しながら生きてます、っていうとちょっと重いんですけど、例えば、バスに乗ってる時にはバスジャックされたらどうしようって思ったり。今地震が来たらどこに逃げようとか、家族大丈夫かなとか思ったり、テレビで事故のニュースを見たりすると気持ちが沈んだり。いちいちそうやって考えちゃうのは自分でも嫌なんですけど、毎日考えてますね。死ぬことが怖くて怖くて(笑)。だから後悔したくないなって思います。姪っ子とかもいるんで、この子が大きくなるまで生きないと、って(笑)。

―「19歳になりたくない」っていう曲は、18歳が終わって欲しくないっていうことを歌われてると思うんですけど、あいみょんさんにとって歳をとるっていうのはどういうことですか?

美しくなることですかね。最近そう思うんです。19歳になりたくなかったのは、老けるのが嫌とかじゃなくて、18歳が楽しくて、なんとなく19歳になりたくないっていうだけだったんですけど。最近は歳をとるのは良いことやなって思います。女性は特に、若い時より自分にお金をかけたりするじゃないですか、それも楽しいなって思いますね。

―歳をとることに対する気持ちがちょっと変わってきてるんですね。

そうですね。誕生日がくると「あぁ、もう21歳か・・・」って思うんですけど(笑)。

―若い時の1歳って差が大きい感じがしますもんね(笑)。

めっちゃ大きい。特に18、19、20って、青春っていうより大人の階段を上る感じがするじゃないですか。周りからの見られ方も変わるし、人付き合いも変わるし。その3年間はターニングポイントのような気がしますね。

―今、21歳になられて、その頃を振り返るとどうですか。

もっと悪さしとけばよかったなって思いますね(笑)。学生をもっと楽しめば良かったなって。

―高校生活はどんな感じだったんですか?

普通の公立高校に入学したんですけど、2年生の時に留年しちゃったんですよ。だけど両親に「高卒資格だけは取りたい」ってわがまま言って、定時制の学校に転入したんです。その1年間もおろそかにしちゃって、ギリギリで卒業して、なんでちゃんとせんかったんやろうって思ったり。途中からの転入だったから友達もいなくて、もっと友達作ればよかったなって思ったりします。夜のプールに飛び込んだりしたかったですね(笑)。

―今はどんどん感性が変わっていく年齢だと思うんですけど、曲を作るにあたって、前と比べて変わってきてるなって感じることはありますか?

ありますね。気持ちがちょっと優しくなってます。15歳の頃に書いた曲に対して、ようやく共感できるようになったりしてます。結構妄想で書いてたり、自分には全く当てはまらない曲もあるんですけど、年齢を重ねてにいろんな経験をした上で改めて聴くと、「あ、分かる」みたいな。自分の曲にようやく共感できることがあるので、曲の作り方も全然変わっていくなって思います。感じ方が全然違いますね。

―そうなんですね。これからどんな風に変化していくのか、新曲も引き続き楽しみにしていきたいなと思いますが、5年後10年後はどうなっていたいですか?

立派な大人になりたいです。もちろん細かいことはいろいろ考えますけど、早く立派になって親孝行できたらいいなって思いますね。

―ありがとうございます。こうして話してるとライブの印象と違いますね。ライブの時はすごく男前だったんだけど(笑)。

そうですか?いつもこんな感じで、みんなとゲラゲラ笑いながらやってます(笑)。

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『憎まれっ子世に憚る』

 1. どうせ死ぬなら  2. 19歳になりたくない  3. 好きって言ってよ  4. 泥だんごの天才いたよね  5. おっぱい  6. 私に彼氏ができない理由  7. ほろ酔い

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3件のコメント


Mariam Aramyan
Mariam Aramyan
2024年7月03日

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Mariam Aramyan
Mariam Aramyan
2024年7月03日
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emmaj3455
2024年7月03日

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