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ぼくのりりっくのぼうよみ


一度目にしたら忘れられないインパクトのある名前。2017年早々資生堂アネッサのCM曲を担当したり、3月のライオンなど、数々の話題作に楽曲を提供し、その才能を開花させた。彼の勢いは止まることを知らずどこまでも変化し続ける。少し前までは普通の高校生だった彼がメジャーデビューを経て数々の経験を通し、19歳になった今に迫る。

Interview:てしまめ

−音楽をはじめたキッカケはなんだったんですか?

中学校に入学してバスケ部に入ったんですけど、走るのが辛くて1日で辞めたんです。そこから家に帰ってYouTubeやニコニコ動画など、インターネットをして1日を過ごしていました。素人が自分で歌詞を書いて自分で録る、こういうのがあるんだと思って。「僕もやってみようかな」っていうのでぼんやり始めました。趣味としてですね。

−音楽のジャンルにも色々ありますが、その中で何故ラップをしようと思ったんですか?

その界隈がラップ(が主流)だったっていうのが大きいですね。ニコニコ動画の中にも色々なカテゴリの人たちがいるんですけど、ラップの界隈の人たちが“ニコラップ”というのをやっているのを見て「自分もできるのかな」と思って始めました。

−曲作りや歌詞を生みだす時のこだわりの場所はありますか?

家ですね。メロディーが先の人もいれば詞が先の人もいたり、色んな人がいると思うんですが、僕は同時進行で作ります。歌いながらパソコンのソフトに書いて録るんです。同時進行にしているので家でしかできないんです。

−音楽は元々好きだったんですか?

そうですね!

−音楽のルーツや、影響されたアーティストを教えてください。

影響されたアーティストはいないです。こうなりたいとか思ったことないんです。ルーツとしては母親が音楽が好きで、EGO-WRAPPIN’とかUAを聴いていました。好き嫌いとかじゃなくて、小さい頃から流れていて自然と聴いていましたね。

−昨年多くのフェスに出演されていましたが、色々なアーティストと共演する中でこのアーティストすごいなとか、演出に感動したりしましたか?

出演側になって初めて知ったんですけど、ステージ裏に用意されているケータリングが美味しくて、裏でご飯ずっと食べていました。入り浸っちゃうくらい。気付いたら出演時間になってて、ライブして帰ってきてまたご飯食べて(笑)。あんまり他のアーティストのライブは見たことないですね、人のライブを見るのがあまり好きじゃなくて。どうしても知らない曲を演奏される時もあって、知らない曲をライブで聴いても何とも思わないというか、聴いても曲の輪郭が掴めないというか。どのアーティストでも、全曲全部好きっていうのもあんまりないじゃないですか。だからあんま行かないですね。

−そうなんですね。では、自分がライブをする立場になってどうですか?

ライブハウスに通う人たちよりは思入れがない分、フラットに見えますね。

−お客さんの反応とか気になりますか?

そうですね。どう思わせたいか、というのはありますね。1月にリリースしたセカンドアルバム『Noah’s Ark』はストーリー仕立てで群像劇になっていて。ツアーではその世界観を伝えたいなと思っていたんですが、実際にお客さんの反応を見てみると、(同じ描写を)共有するのは意外と難しいなと思って。ある景色を知っていてそれを描写している側と、描写された言葉だけを見た側って思い浮かべる景色は違うじゃないですか。人に言葉で伝える難しさっていうのはすごく感じています。完全に伝わることがいいのかと言われたらそういうわけでもないんですけど、せっかくだったら“こういう思いで作ってみました”っていうのが伝わるといいなと思います。今回のライブでは、盛り上がって欲しいというよりは、『Noah’s Ark』の世界観ってこんな感じだったのかと、より深く認識してもらえたらいいですね。ライブが終わった後にCD聴きたいなって思ってくれたら嬉しいです。だからお客さんの反応と言われても難しい。どういう反応している人が、家に帰ってからCD聴くんだろうって思いますね。でもまぁ、楽しんでくれていたらいいな。

−全国ツアーは今回初めてですか?

初ですね!

−地方はあまり行かれてないんですか?

全然ないですね。それこそフェスとかぐらいかな。

−ライブでは地域によってリアクションや雰囲気って違うと感じますか?

会場ごとに全く違ってそれがすごい面白いなって思います。どこが良い悪いとかじゃなくて、例えば横乗りする人が多いとか、みんな手を挙げるなとか、あ、全然挙げないじゃんとか(笑)。好きじゃないとかノってないとかじゃなくて、そういう風習がないだけだと思いますけど。そういうのを見ていて面白いなって思いますね。

−オウンドメディアの「Noah’s Ark」もそうなんですけど、探究心が人一倍ある方なだと感じるのですが、それって昔からですか?

そういうのはコンプレックスからきていますね。何も作れない人間になるのは嫌だなと思っていて。ものを作る側と消費する側がいるわけじゃないですか。どっちもいないと成り立たないんですけど、でもどちらかというと作る側に回りたかったというのがあって。僕は何か良いものを見たときに、自分もこういうのをやりたいなとか、このジャンルもいいけどこれは出来る人に任せようとか考えるんですよね。自分でも出来そうだったら、やってみたいなと思いますね。

−最近のSNSはInstagramが主流になってきていて、さらにLINEでも会話はスタンプでも成り立つ時代。コミュニケーションの手段が言葉から写真に代わってきて私たちの日常が非言語化されつつありますよね。その辺りについてはどう思っていますか?

どうなんだろう。ちょっとそういうのがよくわからなくなってきていて。それも適応なんだろうなと思ってます。

−適応とは?

例えば、僕は「ウケる」って言うんですけど、全部が「ウケる」で解決したらそれはそれで便利というか。「ウケる」と言うことで交信ができて、意思疎通できている雰囲気になるというか。言葉って絵の具みたいだなって思っていて。実在の景色はもちろん色があるんですけど、頭の中に再現される景色が言葉なんじゃないかな。だから“良い”と“悪い”しか持っていない人は、白と黒のように“良い”と“悪い”の2色しかない。それに対して“普通”っていう感覚がある人は3色目の青とかが入ってくるのかもしれないし。もっと色んな選択肢がある人はその光景がもっと色付くというか。でも、カラフルだったらいいのかと言われるとわからないところもあるし、難しいですね。

−人それぞれですもんね。

白黒でもかっこいいかもしれないですしね。僕、最終的に人それぞれだよねって終わっちゃうことが多々あって。絶対こうだからダメだとか、強制するのもおかしいじゃないですか。本人がいいよって思っていたら別にいいよって。強制する権利とかないし。ということをめちゃくちゃ考えますね。

−メジャーデビューされて、普通に高校生活を送っていたら出会わないような人と、沢山出会ってきたと思うんですが、自分の中で変わったことなどありますか?

大学に行く気がなくなるというのはありましたね。こういう活動をしていて出会った人たちと、大学生の目的意識の差がすごくて。夢や目的や目標を持っている人たちと触れていると刺激が貰えるんです。大学生はむしろそれを探している段階で、物足りなさを感じるんですよね。僕自身に何もないと感じているからこそ、そういう人たちと触れ合っている方が面白いんですよね。

−「Noah’s Ark」でも色々な方と対談されていますが、それもすごく刺激が貰えそうですね。

もちろん。やっぱり人によって考えていることって全然違うので。

−話している人たちも全然ジャンルが違うので、読んでいて面白いなと思いました。サイトを立ち上げインタビューをする中で、自分の中で手応えとかありますか?

クラウドファンディングでやっている時点でマネタイズを目的にしていなくて。PV数を稼いでアフリエイトでお金を稼ぐとか、そういう意図でやっていないので、話して記事が完成した時点で満足というか。それで、記事を読みたい人がお金を払ってくれているので、それでいいのかなと考えてやっています。

―そうなんですね。今後も様々な活動を楽しみにしています!

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