どこまでも情けない男の、ピュアで力強い新作が到着!
余計な計算も演技もなく、過剰な演出も装飾も一切ない。そのうえ、バンドサウンドの土台は強固であるので、筋の通った楽曲ばかりが生み出される。これほどまで潔くド直球ストレートばかりぶつけてくる若いバンドは、あまり類を見ないような気がするのです。というか、そもそも彼らは計算も演技も「しない」のではなく、おそらく「できない」のだけど、その純粋さは間違いなく、彼らの最強の武器。
イノクチタカヒロ(Vo.)の書く歌詞にはうだつのあがらない主人公ばかりが登場するのだけど、アメリカンニューシネマを観ているかのような痛快さが混在していて惹きこまれます。例えば“灰になっても”の「通り過ぎていく懐かしさより速く走れたらな」とか、「この道路が地平線まで続いてくれたらな」とか。果てしない感情が籠ったフレーズに、大人の心と子供の心の狭間をくすぐられる心地がします。
“Touch Me I’m Sick”の孤独感と疾走感のコントラストも、“ブルーズメン”の無冠の無敵さも、“スピード”の強くてメッセージも、hotspringのシンプルで芯のあるサウンドが輝かせているのかもしれません。
吸収力に長けた多感な若者にも、「昔の日本語パンクはおもしろかったなァ」と感じているお兄様方にもオススメしたい作品!
Text:Miyaco
2016.3.9 on sale!
\1,800 (+tax) / QEEMA-0001
『空っぽな宇宙』
1. 灰になっても
2. Touch Me I'm Sick
3. 車輪の中
4. ブルーズメン
5. スピード
6. Empty Universe
7. バイバイ ベイビー