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told『KIERTOTIE』


10年以上もメンバーチェンジすることなくバンドを続けていながら、昨年ようやく1stアルバム『Early Morning』をリリースし、今夏はFUJI ROCK FESTIVAL2015のROOKIE A GO-GOステージに出演したという、なかなか稀有なルートを歩んできたtold。結成当時に比べるとおそらく、メンバー各々の視点も感受性も人間性も、バンド内の意思疎通も成熟しているのではないかと想像します。実際、今作は「少年」よりも「青年」という響きが似合う気がします。しかし、さながら「少年」のような、フレッシュなエネルギーも爆発していて、そのバランスがとても美味な作品です。自分達の時間軸の中で着実に培ってきたものが多々あるのだろうなと頼もしさすら感じるし、きっとまだ成長途中なのだろうとも思います。

鈴木歩積の歌声には程よい鋭さがあり印象的。ちょっとひねくれたリズムとメロディー、それらに絡まる絶妙なギターフレーズは中毒性あり。10曲全てが主役の様な作品に聴こえます。

フィンランド語で「迂回」という意味の『KIERTOTIE』。このタイトルを付けたのにはどんな想いがあるのでしょうか。遠回りしたことで拾い集めることができたもの、あるいは手に入れずに済んだもの、組み合わさったパズル。それらの結果として今作があるのであれば、肯定と言う意味の強い作品なのかもしれません。その道を歩くことで手中に収めてきたものを、これからも示し続けてくれることを期待します。

Text:Miyaco

2015.12.2 on sale!

¥1,944(Tax in)/XPCL-18

『KIERTOTIE』

1. Early Morning Ⅱ

2. Fall

3. Sunday

4. Work and Holiday

5. Target

6. それぞれ

7. 予定

8. Distress of Casual boy

9. Gardens

10. 夜風が窓を

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